【レポート】アダストリア・日立システムズがマルチクラウドを語る「小売業界の中国展開に必要な情報システムとは」

8月27日に、ソフトバンク株式会社と共同で「中国小売業」をテーマにしたウェビナーを開催いたしました。

今回は日本国内のほか中国大陸でもビジネス展開している株式会社アダストリアと、同社のシステム構築を行う株式会社日立システムズ担当者から、国内と中国の商習慣の違いや小売業界の中国展開で考慮すべき情報システム事情を解説していただきました。

 

中国でのビジネス展開における課題

f:id:sbc_abm:20200928190628p:plain
niko and ...上海旗艦店

2015年にアダストリアに入社し、16年に中国Tmall(天猫)へ出店したことをきっかけに海外業務に関わるようになった明神さん。現在は、デジタル化推進部 海外チームリーダーとして、中国におけるECモールのオープンなどを担当しています。

アダストリアが中国に進出した経緯について、次のように語られました。「16年にTmallに出店したのですが、中国経済の影響もあってあまりうまくいきませんでした。そこで19年に全てを閉店し、体制を整えてから同年12月にniko and ...(以下、ニコアンド)の中国大陸初となる旗艦店を上海にオープンする形で、中国進出の再始動を切りました」。

ニコアンド上海旗艦店は、オープン以降、連日約3万人のお客様が来店するなど、大きな注目を集めました。

アダストリアは中国進出にあたり、さまざまな現地向けのアプリを開発。そこで、日本と中国の間で大きなギャップを感じたそうです。
「意見が合わないというか、考え方が違うと感じるところがありました。日本側はサービス全体を考えて意見を出しますが、中国側は自分の担当部分から進めようとするところがあって、全体を意識して進めるという感覚はあまりないように感じました。私たちがこの意識の違いを乗り越えられたのは、現地スタッフの声を聞いたことが大きいと思います。現地スタッフは中国のブランドやそれに付随するアプリに詳しいので、リアルな意見を聞いて参考にしました」。

 

f:id:sbc_abm:20200928190831p:plain

 

紆余曲折の末、完成したアプリがニコアンドのWechatミニプログラムです。「日本ではWechatというと中国版LINEのイメージが強いと思うのですが、実際は少し違います。Wechatミニプログラムというプラットフォームの上に、ニコアンドのECショップをオープンしているイメージです。上海旗艦店の3階がレストランフロアになっているのですが、このアプリから注文・決済ができるようになっています。中国人はイベントに参加するのが好きなので、フッター部分には店内で開催中のイベントを載せることもありますね。ただのECというよりも、オンとオフを繋げることを強く意識してつくりました」。

これらの経験をふまえて、明神さんは中国進出のポイントを次のようにまとめました。
「日本のスタンダードをそのまま中国に持ち込んでも、うまくいきません。日本はサービスの精度を重視しますが、中国はスピード重視です。『トラブルが発生するのは当たり前なので、その後対応すればいい』と普通に言います。でも、精度とスピードどちらを重視するかではなく、両方の立場を理解する必要があると思います。中国は規制が多くグローバルなサービスが使えないため、自分たちでサービスを開発してきた背景があります。必要だからつくる、ゆえにスピード重視なのだと、現在は理解しています」。

 

情報システムが意識すべき中国展開の重要ポイント

17年からアダストリア デジタル化推進部 インフラチームリーダーを務める村野さんは、中国進出の際にどのようにインフラを整備していったかを担当者の立場から解説しました。

「以前は上海にある普通のオフィスの一室をサーバールームと呼んで、そこにサーバーを置いていました。そのときは停電するとエアコンが止まってしまい、温度が上昇して障害の原因になることがありました。そのため、以前から中国にサーバーの拠点をつくり、ハブにして、中国内で網をつくりたいと社内でも話していました。しかし、実際は長年ペンディングになってしまっていました」。

サーバーの状況を改善するきっかけになったのは、19年にオープンしたニコアンド上海旗艦店。
「それまでは上海オフィスのサーバーだけで何とか事足りていましたが、ニコアンド上海旗艦店オープンのタイミングで、POSなどのシステムを刷新することになりました」。その際に、サーバーが大量に必要になったとのこと。

 

f:id:sbc_abm:20200928191535p:plain

 

「そこで、クラウドサーバーを検討することになりました。最終的にはAlibaba CloudとAWSの二択で、どちらも要件は満たせるし、コストも大きく変わりませんでした。日本側はAWSに慣れていました。一方で、現法のシステム担当者や現地開発ベンダーはAlibaba Cloudに慣れていました。悩みましたね」。

結果、Alibaba Cloudが選ばれました。その理由についても語っていただきました。「日中間VPNのサービスがあったのは大きかったですね。また、現地の開発ベンダーがAlibaba Cloudに使い慣れていると言うこともあり、最終的にはAlibaba Cloudの採用を決定しました。結果、僕らは現地に行かなくても全く問題なくスムーズに導入することができました」と話してくださいました。

このAlibaba Cloudの実際の導入を行ったのが、第3部に登場する日立システムズです。

グローバルシステム構築に最適なマルチクラウドソリューション「Gateway for BusinessCloud (GWBC)」

日立システムズの荒居さんは「弊社は、中国・韓国・東南アジアに進出する日本企業からシステム構築をご依頼いただくケースが多いですね。アダストリア様もまさにそうでした」と話しました。

 

f:id:sbc_abm:20200928192132p:plain

 

「海外拠点のネットワークインフラの悩みは、ローカル回線が遅いなどの“通信事情”、スケジューリングが不明確などの“現地キャリア・ベンダ”、現地にITのわかる人材がいないなどの“言語・文化・人材”と、3つの問題に大別されます。
さまざまな悩みがあるなかで、『せっかくのクラウドサービスだから良い環境で利用したい』という要望から、弊社のワンストップサービスをご利用いただくケースが多いですね」。

現在はマルチクラウド環境が主流になってきていると荒居さん。「お客様拠点の“オンプレミスシステム”、重要な情報を蓄積する“データセンター(プライベートクラウド)”、さらにビジネススピードをアップするためにAlibaba Cloudなどの“メジャークラウド”と、この3つを利用目的に応じて最適に組み合わせてITシステム環境を構築します。ある調査では、従業員1,000人以上の企業のうち93%がマルチクラウドを利用しているというデータがあり、IT資産は“所有”から“利用”へと変化していることがわかります」。

 

f:id:sbc_abm:20200923145914p:plain

 

日立システムズは、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)に不可欠なインフラをワンストップで担う「Gateway for Business Cloud (GWBC)」を提供しています。サービスパックメニューは、クラウドパックメニュー、インターネット接続パックメニュー、オペレーション支援パックメニューの3つがあります。

「中国進出の際に弊社のワンストップサービスが必要な場合は、ぜひお声がけください」と荒居さんはまとめました。

 

■関連リンク
株式会社日立システムズ  Gateway for Business Cloud (GWBC)

 

 

講師プロフィール

f:id:sbc_abm:20200714093638j:plain

明神 晃株式会社アダストリア デジタル化推進部 海外チームリーダー)

国内外のソフトウェア開発パッケージ導入を経験後、アダストリアへ入社。入社後は、中国Tmallプロジェクトや台湾、香港、韓国のシステム全般を担当。

f:id:sbc_abm:20200809223207j:plain

村野 康生株式会社アダストリア デジタル化推進部 インフラチームリーダー

アパレル業界にて販売スタッフを経験後、金融系SIerにて自社サービスの企画運営やASP営業などに従事。アダストリアへIT担当として入社、日中間のネットワーク構築を行う。

f:id:sbc_abm:20200809223225j:plain

荒居 明徳株式会社日立システムズ ビジネスクラウドサービス営業統括本部 第一営業部 主任

国際ネットワークサービスの事業化に携わり、主に製造業のお客様の中国・東南アジア進出や、グローバルネットワーク構築のご支援に従事。現在は流通業のお客様に対してネットワーク・セキュリティ・クラウドを中心としたシステム全般の構築・運用・保守まで含めたワンストップサービスの営業を担当。

関連記事

www.sbcloud.co.jp

www.sbcloud.co.jp
www.sbcloud.co.jp
www.sbcloud.co.jp