Alibaba Cloudコンテナ活用事例:グローバルファッションECモール「FASBEE株式会社」

Alibaba Cloudコンテナ活用事例:グローバルファッションECモール「FASBEE株式会社」
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BeeCruise株式会社 システム開発部 FASBEEチーム SRE 高山太一 氏、FASBEE株式会社 代表取締役 齋藤由英 氏

国内外における各種Eコマースを展開し、特にクロスボーダーEコマースを強みとするBEENOSと、国内最大級のアパレルファッションEC「FASHIONWALKER」を運営するファッション・コ・ラボが手を組み、今年7月からグローバルファッションECモール「FASBEE」をオープンしました。

現在は日本国内の約300ブランドのアイテムを世界100か国以上に向けて販売し、人気を集めています。

このFASBEEのサーバー/システムとしてご採用いただいたのがAlibaba Cloud。そこで今回は、FASBEE株式会社 代表取締役の齋藤由英氏、およびシステムの担当者であるBeeCruise株式会社 システム開発部 FASBEEチーム SRE 高山太一氏に、選定の経緯や採用の理由などを聞きました。

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FASBEEのTOPページ https://fas-bee.com/

 

ファッションECは現在、さまざまな企業が展開していますが、その中での「FASBEE」の特色や差別化のポイントは?

齋藤:FASBEEはファッションに特化したグローバルECモールであり、現在は国内約300のファッションブランドのアイテムを世界100か国以上に向けて販売・配送をしています。日本語・英語・中国語の簡体字と繁体字で展開しており、28の通貨が利用可能なので、海外の居住者が国内のECと同じUXで購入することができます。

海外から日本のファッションアイテムを購入する場合にサポートサービスを利用するケースがありますが、FASBEEは“これまでの海外向けECサポートサービスが抱える複数の課題”を解決しているところが大きな特色になっています。

 

これまでの海外向けECサポートサービスにはどのような課題があったのでしょうか?

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齋藤:海外から日本のアイテムを購入する場合、ユーザーがサポートサービスに購入依頼をする → サポートサービスが国内のECからアイテム買って自社倉庫に送ってもらう → 倉庫で荷物の重量から送料を決めてユーザーに最終的な価格の確認をする → 配送する、という流れになります。

このように見るとこれまでは、ユーザーは最終価格がわからない状態で購入しなければならない、購入手続きが煩雑になる、商品が手元に届くまでに長いリードタイムが必要、という課題があることがわかります。

一方、FASBEEを使うと、価格は「アイテムの代金 + 一律の送料」と、最初から価格が明確です。さらに2020年2月末までは100以上の国どの国で購入しても「送料無料キャンペーン」を実施しているため、送料が一切かからずにアイテムの代金だけで購入することができます。

手続きの面でも、送料が決定した際の「二次決済」の必要がなく、最初に購入ボタンを押せばいいだけです。また、リードタイムの面でもFASHIONWALKERの倉庫から直接海外に発送されるため、FASBEEでは注文の翌日にお客様の手元に届けることが可能になっています。 このようなスキームでファッションの越境ECを展開している競合は他にはないと思います。

 

「送料無料、簡単手続き、短いリードタイム」を実現されているのは凄いことですね。なぜFASBEEではそんなことが可能なのでしょうか?

齋藤:FASBEEは、BEENOSとファッション・コ・ラボ、両社の良いとこ取りをして生まれたECモールだからです。1999年創業のBEENOSは現在“グローバルプラットフォーマー”として業界多数の取り扱い実績があり、海外に商品を送る際の問題点など、海外ビジネスのノウハウがあります。

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ファッション・コ・ラボは、日本最大級のファッションEC「FASHIONWALKER」を運営しているため、ファッションブランドとの信頼関係を構築しているうえ、服の売り方やECのUIのつくり方を熟知しています。

両社が培ってきたノウハウを組み合わせてできた越境ECモールだからこそ、実現できているスキームだと自負しています。

 

実際に買い物をしている海外のユーザーからはどのような声があがっていますか?

齋藤:SNSで「#FASBEE」のハッシュタグで検索してみてもらうとわかりますが、アメリカからは「日本から商品が送料無料で届くなんて、神だ! こんなサービス見たことない」という声がありました(笑)。

台湾では他のECでもFASBEEに掲載されているブランドを購入できる場合がありますが、関税や送料が乗っているためFASBEEの価格の1.3~1.6倍になっています。だから、「安さにビックリした! 本当にこの価格で大丈夫なの?」という声をいただいていますね。さらに、日本国内の直営店と同様のフルラインのアイテムを購入できるところにもメリットを感じていただいているようです。

 

オープンしてからまだ4カ月ほどですが、既に人気が出ているのですね。そのFASBEEを支えるインフラとしてAlibaba Cloudを採用いただいています。採用の理由は?

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高山:FASBEEは世界100か国以上を対象としたグローバルファッションECモールですが、最初は香港と台湾などアジアをメインターゲットにして広告宣伝を展開しており、そこでの認知を獲得してから世界に広げていく戦略をとっています。「アジアに対してユーザビリティの高いサービスを提供したい」と考えたときに、アジア地域で強い基盤をもっているAlibaba Cloudへの高い期待感がありました。

齋藤:ちなみに、これまでBEENOSグループでは他社クラウドサービスを使ってきたので、Alibaba Cloudは初めての導入になるのですが、FASBEEはグループ内における新しい試みなのでシステムも含めて新しいサービスをパイロットケースとして試して、それが既存のものよりも良いものであればグループ内でも変更を検討できればと考えました。

 

それはうれしいお言葉です、ありがとうございます。導入前に他社クラウドとの比較や調査は行われましたか?

高山:重点的に行なったのは速度比較になります。弊社はAlibaba Cloudを使うのは初めてですし、グループ全体でも海外のリージョンにサーバーを置いたケースはなかったので、事前にSBクラウドのエンジニアブログやユーザーコミュニティ「AliEaters」に参加して自分なりに調査をしました。

www.alieaters.com

その結果、中国からのアクセスが最適化されている香港リージョンのサーバーを候補にすることにし、今年5月頃から比較調査をはじめました。

中国からのアクセスの問題は回線の混雑によりトラフィック量が不安定に変化する特徴を持っているところだと思います。一般的な通信でも300ms程の変化はある発生すると思いますが、中国の場合は数秒単位で大きく変化します。

しかし、Alibaba Cloudはその影響を受けないため速度は速く、安定していることがわかりました。あるケースのテストではAlibaba Cloudへの中国からの通信は他クラウドと比べ平均で60%高速であることがわかりました。

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現在、利用しているAlibaba Cloudのプロダクトを教えてください

高山:WebサーバーやDBサーバー、コンテナを運用しているので、Elastic Compute Service(ECS)Object Storage Service (OSS)Container Service for KubernetesLog Serviceなど、さまざまなプロダクトを利用していて、システムのほぼ大半はAlibaba Cloudで構成しています。

 

Kubernetesを利用されているんですね。導入の背景は何でしょうか?

高山:Kubernetesを導入したのはBEENOSグループの中でも初めての試みでした。導入した背景は、品質やスピードを上げていくうえでKubernetesを利用するのが最適だと考えたからです。特に高頻度のデプロイを安定的に行える環境が用意したいと思っていました。また、サービスのマイクロサービス化も念頭にありました。

 

Alibaba Cloudを利用してみて「良いところと悪いところ」を教えてください。

高山:特に気に入っているのはContainer Service for KubernetesとLog Serviceです。Kubernetesは難しいテクノロジーですが、うまくマネージドされていると思います。マネージドコンソールのUI/UXは非常に直感的ですし、Kubernetesの高度な機能を手軽に利用できるよう工夫されているのを感じます。

また、Cloud Monitor(メトリクス監視)、Log Service(ログ監視)、Auto ScalingやAntiDDoSとの連携もスムーズだと思います。Log Serviceは簡単な手順で導入可能で、ログの監視、検索、分析、可視化、アラートと高度な機能を備えており、重宝しています。

コスト面も安いと感じています。また、導入後に問い合わせを何度かしたところ、サポートの対応も非常によく、すぐに問題を解決することができました。

課題はドキュメントでしょうか。Alibaba Cloudにはグローバル、中国、日本の3つのWebサイトがあると思いますが、情報が混在していることがあって、日本でリリースされていないプロダクトがリリースされているように書かれていることがあります。あとはフレームワークのライブラリがサービスにあまり対応していないところもご対応いただきたいですね。

 

現在、FASBEEでは送料無料キャンペーンを実施しているためアクセスが急に上がることもあると思いますが、トラブルなどはありましたか?

高山:Alibaba Cloudの「Auto Scalling」で調整していて、今のところ問題なく対応できています。

 

ありがとうございました! 最後に、ぜひFASBEEの今後についても聞かせてください。

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齋藤:今後は海外のアイテムを日本で購入できるようにすることも最初から視野に入れています。そもそも、FASBEEは「日本のアイテムを海外に展開する」というコンセプトではなく、最終的には、どの国のアイテムも、どの国からでもアクセスして購入することができる越境ECにすることを目標にしています。それを実現するためにも、まずは当初打ち立てたビジョン「世界のファッションECモール世界No.1」を目指して、さらにパワーアップしていきます。

 

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