
去年から中国ブームになった「国潮」。中国ブランドブームというところでしょうか。国潮ブームの筆頭は化粧品ですが、中国のアパレルブランドも中国ブランドをアピールするのを見るようになりました。10年前から比べると信じられない変化です。
一方で日本のブランドというと、近年ではZOZOやコナカが採用しているIT機器で尺寸するサイズテックによるオーダーメードでしょうか。中国でも新しいオーダーメードの販売店を展開する会社があります。広州の柴楓定制(Caifung Custom)という企業です。
2019年7月に起業した若い会社で、広州のみで展開中のようです。かつ新型肺炎で人が動けない中で、非常に厳しい状態かと思います。業績とは別に、ビジネスアイデアとして同社のサービスを紹介していきます。
柴楓定制(Caifung Custom)のオーダーメード
柴楓の尖った特徴は、ずばり、大きめの証明写真機(プリクラサイズといったほうがいいかも)のような無人ボックスを用意していること。

3人くらいまでは入れそうです。このボックスで同社のどのモデルのスーツ、あるいはどんなスーツが欲しいのか、タッチパネルでデザインを選びます。

次に下の引き出しに入った布地サンプルでどれにするか触って決めます。そのあと尺寸するわけですが、これは実店舗で行うため、来店予約をタッチパネルモニター上から行います。今はカメラ付きデバイスで尺寸ができるものもあるので、それを採用するとさらにスマートになりますね。

その後来店し尺寸。10数分で30数か所を測量するそうです。1週間〜10日ほどで服は完成し、店舗で試着します。気に入ればお買い上げとなります。
無人ボックスのメリット
もちろん同社は微信小程序(ウィーチャットミニプログラム)を提供していて、そこからデザインを選ぶことも可能です。
今回のケースでの無人ボックス型のメリットは実際に布地をじっくり触って選ぶことができること。店で店員を前にどの布地にするかじっくり選ぶのが嫌という人にはうれしい仕様です。
ショッピングモールにこの広めのボックスがあることから、クローズ空間の中でカップルや仲間内でわいわい選択することもできます。
現在スマートフォンひとつでかなりのオーダーメードができます。しかし目ではどうにもならない部分、触覚や臭覚や味覚でのチェックが必要な商品もあるでしょう。東急ハンズのようなホームセンターでは、材料を買い加工作業代行してくれる場があります。そうした商品のオーダーメード対策に、無人ボックスは活用できるわけです。
筆者プロフィール
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山谷 剛史(やまや たけし)1976年東京生まれ。東京池袋近辺、福岡市、中国雲南省昆明育ち。フリーランスライター。
2002年より一貫して中国やアジア各国のITやトレンドについて執筆。中国IT業界記事、中国流行記事、中国製品レビュー記事を主に執筆。主な著書に『中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 (星海社新書)』『ゼロからはじめる 海外旅行でスマホ活用 スマートガイド』『新しい中国人 ネットで団結する若者たち (ソフトバンク新書)』など
公式プロフィール:https://about.me/yamayat
Twitter:https://twitter.com/YamayaT
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