急成長のレンタルサービス「人人租机」を支える芝麻信用の信用スコアとAlibaba Cloudのクラウド技術

日本同様、中国でも商品をレンタルできるサービスが近年多数登場しました。特にアントグループによる信用スコア「芝麻信用」が登場してからは、それを活用するレンタルサービスが一気に増えました。

信用スコアとは簡単にいうと、クレジットカードの与信を数値化したものです。勤務先、自宅、学歴、所有車、水道光熱費の支払い情報、友人関連、買い物履歴などでスコアがアップし、支払の遅延が発生した場合はスコアが減ります。信用スコアが一定以上あがると、シェアサイクルやシェアバッテリーなどのシェアサービスや商品がデポジット不要で借りられるようになり、金銭が借りられるようになります。また信用スコアが高くなると、家賃の敷金やシェアカーなどコストの高いものをデポジットなしで借りることができます。

今回はそんな芝麻信用を活用しているデジタル製品のレンタルプラットフォーム「人人租机」のAlibaba Cloud導入事例について紹介します。

人人租机(https://www.rrzuji.com/)

人人租机(https://www.rrzuji.com/

人人租机のサイトを見ると、商品は多数あるのが確認できます。一例を出すと、1日あたりHPのデスクトップパソコンが3元、レノボThinkPadのノートパソコンが2.5元、タブレットのiPad Air3が8元、iPhone11が10元で借りられる、といった具合です。他にもデジタルカメラやプリンターやプロジェクターや浄水器、展示用ロボットに自動販売機など個人向けビジネス向けを問わず様々な商品を貸し出しています。

商品は人人租机自身が貸し出すわけではありません。人人相机はメーカーとクライアントの企業や個人を繋ぐプラットフォームであり仲介業者です。中国全土で15,000社が登録し、200都市で自社の商品を活用して1商品からレンタルサービスを提供しています。

このシステムを利用して、人気旅行先である四川省では、スキー場でのスキーウェア一式レンタルのように、デジタル一眼レフカメラやドローンなど写真撮影機器一式を貸し出すキャンペーンを同サービスを通じて行っています。このサービスを使いこなせば、必要なものを必要な時にだけ借りて、お得に中国での生活やビジネスのやりくりができそうです。

人人租机はプラットフォームを提供するだけではありません。レンタルサービスのミニプログラムの開発「信用租小程序」を行ったり、レンタルサービス構築のための商品や客の管理などのSaaS「好易租」を提供したりしています。

さてそんな便利な人人租机は まだそれほどレンタルサービスが普及していなかった2016年6月に立ち上がりました。サービス自体は魅力ですが、まだレンタルサービスは業務リスクが高かったといいます。もともと自社でユーザーが信用があるかどうかのチェックを行っていましたが、この作業にはどうしても2日以上かかってしまい、時間とコストがかかっていました。中国は広い国土の割には商品が迅速に届くので、そうした環境下で認証作業が遅いとせっかちな中国人の客が離れてしまう、という問題がありました。

そこでAlibaba Cloud(阿里云)を2018年3月に採用し、信用チェックを芝麻信用に任せることに。芝麻信用の信用スコアを活用することで、認証作業が数秒で完了できるようになりました。またずっと貸していると毎月レンタル金の請求が必要で、自社管理では請求漏れが発生するリスクがありましたが、アリババの徴収機能を導入した結果、料金徴収の自動化に成功。支払い遅延が大幅に減少しました。検索サービスをAlibaba Cloudから導入し、検索に関する開発コストも減らしたそうです。

人人租机を支えるクラウド技術(https://help.aliyun.com/document_detail/144623.html)
人人租机を支えるクラウド技術(https://help.aliyun.com/document_detail/144623.html

またアリババのミニプログラムを導入することにより、コストをかけずサービスの検索結果が出るようになりました。他のプラットフォームからだと検索に1クリックあたり20~30元の広告費用が発生し、かつ費用に見合ったトラフィックがあったわけでもなかったようです。中国でサービスをローンチする場合、ミニプログラムのほうが検索用の広告費用が少なく済みそうです。またAlibaba Cloudが提供する、紹介ユーザーに対してお礼を出す機能も利用者増に貢献したそうです。

Alibaba Cloudの導入により、トラブルは10分の1に、一日の注文数は15倍に増えました。ユーザー数は20倍になり、登録者数は150万、累計利用者数は1,500万を超えるほど成長した模様です。

中国では、日本の製品のニーズがまだまだあります。機器類だけでなく日本風の服装も高い評価を得ています。こうしたものを提供するサービスはニーズがあるかもしれません。また日本向けサービスにおいても芝麻信用がそのまま日本で利用できるわけではないですが、アイデアは参考にしたいところです。

 

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筆者プロフィール

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山谷 剛史(やまや たけし)

1976年東京生まれ。東京池袋近辺、福岡市、中国雲南省昆明育ち。フリーランスライター。
2002年より一貫して中国やアジア各国のITやトレンドについて執筆。中国IT業界記事、中国流行記事、中国製品レビュー記事を主に執筆。

主な著書に『中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 (星海社新書)』『ゼロからはじめる 海外旅行でスマホ活用 スマートガイド』『新しい中国人 ネットで団結する若者たち (ソフトバンク新書)』など

公式プロフィール:https://about.me/yamayat
Twitter:https://twitter.com/Yamaya