京東、天猫、美団の「618」セールまとめ(山谷剛史の中国ITニュースピックアップ:2020年5月~6月)

中国アジアITライター・山谷剛史さんが、中国国内で話題になったITニュースをピックアップする連載企画です。
今回は、2020年5月~6月の、中国主要インターネットニュースについてまとめました。

 

ECサイト祭り「618」が開催

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様々な仕掛けが618であった。Groupm(群邑)による618レポートより。

EC大手の京東(JD)の創業祭である618セールが今年も開催された。京東は6月1日から18日までで33%増の2692億元に、「阿里巴巴(Alibaba)」の「天猫(Tmall)」の注文総額は6982億元となった。

京東や天猫が100億元を超えるキャッシュバックキャンペーンを発表すれば、ECサイトの「蘇寧易購(Suning)」や「拼多多(Pinduoduo、ピンドゥオドゥオ)」もまた総額100億元キャッシュバックキャンペーンを開始。蘇寧が中国版TikTok(抖音 Douyin)と提携したと思えば、抖音のライバルの快手は京東とライブコマースで提携……といった具合で、企業間の競り合いが目立った。

2020年の618ECセールでは、ライブコマースが台風の目となった。店舗スタッフやKOL(=Key Opinion Leaderの略。中国でいうインフルエンサーのこと)による販売はもちろん、芸能人や企業のトップなどもライブコマースで気になる商品を販売するだろうと、消費者から注目を集めた。

天猫・蘇寧・拼多多は、それぞれテレビ局と連携し、特別番組を放送して盛り上げた。また天猫はリアルショップと提携しつつライブストリーミングで紹介することで、オンラインとオフラインをつなぐ試み「天猫Club」を実施。

商品ジャンルとしては、産直農産物や化粧品が盛り上がった。特に化粧品については、オンラインとオフラインの融合が進んでいる。オンラインで購入しオフラインで試したり、ARでバーチャル試用したりなど、先進的な取り組みが見られた。

また6月18日から6月28日まで、O2O最大手の美団は食事のデリバリー促進キャンペーンの「618外売節」を実施。これは中国飯店協会と美団が提携し、有名外食チェーンなどの外食デリバリーが割引価格で買えるというもの。このキャンペーンは、北京・上海・南京・杭州・寧波の5都市で開催された。

11月11日のECセールでは、どの企業もさまざまな手法を使って顧客を呼び込もうとしている。中国視察の一環としてこのセールを覗いてみれば、リアルショップとスマホアプリで様々な仕掛けが見られる。おおいに学べることだろう。

 

政治イベント「両会」でネット企業各社が政府に提案

中国の一大政治イベント「両会」が、5月22日に開催された。ネット企業大手の経営者も数名参加し、提案を出し合う様子が見られた。

たとえばレノボの揚玄慶氏は、リモートワークやオンライン学習ができるように、パソコン普及策の提案を行った。

このように各企業の提案を見れば、各企業がそれぞれ今後どのジャンルで成長し、政府の支援を受けたいと考えているかがわかる。

今回は、以下の企業トップがそれぞれ訴えた。

・騰訊(Tencent)の馬化騰(Pony Ma)氏
「産業インターネットの推進と医療サービスの向上」
「農村振興」
「深センや大湾区の強化」

・小米(Xiaomi)の雷軍氏
「商業航空産業発展のために衛星インターネットのハードルを下げること」
「地震予知インフラ構築の強化」
「フィンテックを強化し金融サービスに必要なコストを下げ、小企業のサポート環境を強化すること」

・蘇寧の張近東氏
「物流や農村振興や企業への小口融資」「社区(マンション団地)のスマート化の強化」

・網易(NetEase)の丁磊氏
「入学試験にプログラミングの科目の追加」

・捜狗の王小川氏
 「AI業界の標準規範のルール作成」

・百度の李彦宏氏
「交通の一層のスマート化」「新型コロナで収集したデータの管理ルール強化」

 

国務院、アフターコロナのネットカフェサービス再開ルールを発表

中国政府の国務院は、アフターコロナにおけるインターネット提供サービス企業・団体の運営ルールについて記した「国務院応対新型冠状病毒感染肺炎疫情 聯防聯控机制関于做好新冠肺炎疫情 常態化防控工作的指導意見」を発表した。これにはネットカフェほか、劇場や映画館その他の娯楽場所のアフターコロナの運営方法についても記されている。

具体的には、「実名登記を行い、体温測定設備を置き、体温が高い人は入場を許可しない」「マウス・キーボード・ヘッドフォン・ディスプレイなど利用客が変わるたびにを消毒する」「人と人との距離を1m以上離し、利用者数は定員の50%以下、1回の利用を2時間以内にする」「スタッフの食事は弁当形式で分けて用意する」「隔離エリアを用意する」「緊急時の連絡体制を万全にする」といった細かいルールが挙げられている。日本でも参考にしていただきたい。

 

中国国内の5G契約者数は1億人超えに

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5Gキャリアプラン(新京報)

5月末の時点で中国の各電信キャリアの加入者数は、中国移動(China Mobile)が5560万9000、中国電信が(ChinaTelecom)が3005万で、中国聯通(ChinaUnicom)は非公表としている。

中国メディアの発表では、中国の5G加入者数はサービス開始から8か月間で1億を突破したと推測している模様。5G加入者の割合は、中国移動、中国電信ともに全加入者の1割弱となっている。

「賽立信通信研究」の記事では、5Gの普及は遅れていると指摘されている。その理由として、4Gと比べた5G端末の値段の高さとプラン料金の高さ、それに5Gを使いたくなるようなコンテンツが不足していると分析されている。

中国移動と中国聯通は、6月に月100元(約1500円)を切る5Gプランを発表した。最安は中国移動の88元のプランで、30GBのデータ通信料と200分の通話が可能。2年縛りの条件付きとはいえ、月100元を切り、より消費者は5Gプランに入りやすくなったといえる。

中国政府工業和信息化部によると、中国での5G基地局数は25万超と建設を続け、端末についても既に130機種の携帯電話(スマートフォン)にライセンスを与えているそうだ。華為(Huawei)のHonorブランドからは、これまでより買いやすい、千元台の5Gスマートフォンがリリースされると噂されている。

 

ビリビリ、他人叩きブーム「錘人」に警鐘

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ビリビリの錘人コンテンツ

動画サイトのビリビリは6月17日、ネットで他人を叩いて炎上させることを禁じた「関于“錘人”類稿件的管理方法(試運行)」を発表した。近年ビリビリの人気コンテンツの一つになりつつある「錘人(他人叩き)」の動画などのコンテンツについて、表現が誇張されているきらいがあり、煽動性が強いとして、これに対して注意や動画削除といった対応を取るというもの。

今年に入って20人以上のインフルエンサーが錘人のターゲットとなっていて、その理由としては、愛国ではない・私生活がダメ・モラルが無い・パクリ疑惑・金儲けのやり方が嫌いなどが挙げられている。具体的にはマスクを無駄遣いした人や、偽の日本国籍を名乗った人や、女性を侮辱した人などがターゲットに上がった。

 

TikTokをはじめ中国スマホアプリに逆風

インド政府情報技術省は6月29日、中国の「TikTok」「Kwai(快手)」「ビューティープラス」「WeChat(微信)」「Weibo(微博)」「QQ」「Baidu(百度)地図」を含む59のスマホアプリの公開禁止を発表し、インドのGoogle PlayとApp Storeから該当アプリが削除された。

世界的に人気のTikTokに絞れば、逆風はさらに強い。欧州では6月10日、欧州データ保護会議(EDPB)が、「TikTok」調査の作業部会を発表し、また快手の海外版「Zynn」がGoogle Playから削除された。7月に入って、香港では自主的に提供を停止したほか、アメリカやオーストラリアもTikTokの禁止を検討しているという。

 

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