
トリニティ株式会社
https://trinity.jp/トリニティ株式会社 ご紹介
トリニティ株式会社はコンピューター・スマートフォン周辺機器やデジタル雑貨などのアイテムを企画・開発・販売をしています。「Simplism」「NuAns」「Bluelounge」「Catalyst」などのブランドを展開し、日本のみならず海外のユーザーからも支持を集めています。
課題
トリニティの広東省にある中国事業所では日本本社とチャットツールやファイル共有サービス等を通じて情報共有を行っています。
「特に利用頻度が高いのはスプレッドシートの共有です。本社で契約しているSaaS型のサービスを利用して商品管理データなどのファイルを共有しています。スプレッドシートは関数を組んでおり、ファイルによっては1,000行以上のデータを管理しているため、中国からアクセスした際に表示の遅延が頻繁に発生しておりました」(トリニティ株式会社 取締役 山本 洋平 氏)
一般的に中国から国外に出るネットワークは不安定であるため、リアルタイムなコミュニケーションを行う場合には遅延等が発生する場合があります。トリニティではさまざまな回避策を検討しました。
「まず、日中両拠点にVPNルーターを設置し、インターネットVPNによる接続方法を試しました。しかし、この方法はインターネット回線を利用するため、あまり状況は改善しませんでした。
その後に試したのは、香港を経由して中国国外に出る方法です。香港のデータセンターに構築したゲートウェイサーバーを通じて本社のネットワークにアクセスするルートを試しました。導入時は問題なかったのですが、数時間のネットワーク遮断などのトラブルが頻繁に発生するようになりました」(山本氏)\
「さまざまなVPNサービスやShadowsocksも試しましたが、政府が国外向けVPNに対する規制を強化しているからなのか、どのサービスも状況は改善されませんでした。安定性だけでなく、セキュリティの面でも不安もありビジネス利用に堪えられる品質のサービスがなかなか見つかりませんでした」(山本氏)
Alibaba Cloud選定理由
トリニティでは複数のVPNサービス等を比較した結果、Alibaba CloudのCloud Enterprise Network(CEN)の導入を決定しました。
「Alibaba Cloudのサービスは以前から知っていたのですが、エンタープライズ向けのイメージがあったため、当社にとってはオーバースペックなサービスではないかと思っていました。しかし、SBクラウドからCENの提案があり、数万円から利用できることを初めて知りました。検証環境で試したところ、日本国内で利用しているときとほとんど変わらないレスポンスだったため、導入を即決しました」(山本氏)
Cloud Enterprise Network(CEN)は異なるリージョンのVPCをプライベートネットワークで接続するサービスです。トリニティでは深センリージョンと東京リージョンのVPC間をCENで接続しました。

導入後の効果について
トリニティはCloud Enterprise Networkの導入により、日中間の円滑なコミュニケーションを実現することができました。
「導入して数カ月が経ちますが、遅延や障害などは一切発生しておりません。日本にいるときとほとんど変わらない感覚でリアルタイムの情報共有ができています。
また、中国事業所にはIT担当者がいないため、トラブル発生時には日本から電話やチャットなどでサポート行っていました。この工数が大幅に削減できたことも大きな効果です」(山本氏)
また、今回のCEN導入にあたっては深センリージョンから中国事業所側のクライアントPCまでの通信はAlibaba Cloudの「VPN Gateway」を利用し、端末認証のSSL-VPNにて接続する方式に変更しました。これにより、外出先からもインターネット環境があれば安全に業務データにアクセスすることができるようになり、利便性とセキュリティの両面を改善できました。
「中国国内でのネットワーク環境に悩んでいる日系企業は多いと思います。当社のようにIT専任の組織がない企業にとって、Alibaba CloudのCENのようなサービスは大変ありがたいです」(山本氏)