ログインできなくなった中国側の受発注システム。解決策は「Alibaba Cloud一択だった」(東海光学株式会社)

ログインできなくなった中国側の受発注システム。解決策は「Alibaba Cloud一択だった」(東海光学株式会社)

写真左から東海光学株式会社 情報システム部 課長 倉地大悟 氏、杉本裕昭 氏

(写真左から東海光学株式会社 情報システム部 課長 倉地大悟 氏、副主席 杉本裕昭 氏)

眼鏡レンズ専門メーカーとして国内No.1のシェアを誇り、“Made in Japan”のハイクオリティレンズを世界60カ国以上で販売実績のある東海光学。海外専用の受発注システムを構築したところ、ある日突如として中国でログインできないトラブルが発生……。その解決策としてAlibaba Cloudを選択した背景と、導入後の変化を聞いてみました。

世界一の高屈折率1.76のレンズを開発

本日はよろしくお願いいたします。最初に貴社の事業内容について教えてください。

 

倉地:弊社は1939年(昭和14年)創業の「眼鏡レンズ専門メーカー」です。レンズの素材開発から設計・加工・販売まで一貫体制を敷いています。岡崎市花園工業団地にあるハイテクノロジーを駆使した工場で製造する“Made in Japan”のハイクオリティのレンズは、日本国内で約15%のシェアをもっており、眼鏡レンズ専門メーカーとしてはNo.1のポジションを築いています。

杉本:日本国内だけでなく、グローバルでも展開していて、世界60カ国以上での販売実績があります。近年では中国とオーストラリアにグループ会社を現地で設立し、IT先進国の韓国やインドをはじめとしたアジア全域、北米、南米へと更なる販路を拡大しています。ベルギーのグループ会社であるTOKAI OPTECSはヨーロッパだけでなく、ロシアや中東、アフリカまで取引をしています。

 

「ハイテクノロジーを駆使した工場」という言葉からもわかる通り、貴社はレンズの研究開発に非常に力を入れている印象があります。

 

倉地:その通りです。弊社は「オンリーワンの商品」を目指して研究開発を行っています。2006年には世界一高い屈折率1.76の眼鏡レンズを開発・発売しました。レンズは屈折率が高いほど薄くできて、装着感もよくなるんです。

開発をスタートした2004年当時では1.74が世界最高基準で、「それ以上の屈折率は不可能」と言われていました。ですが、「自分たちの手で世界一を生み出そう」と会社が一丸となって研究に注力したんです。試行錯誤を2年間繰り返した結果、2006年4月に屈折率1.76の世界最薄レンズ「ベルーナZX-AS」を発売したところ、業界から驚きの声があがり、TOKAIの名を世界に広めるきっかけになりました。

杉本:鮮明に見えるだけではなくレンズ機能を高める研究開発にも取り組んでいます。今後も、「これまでにない快適さ」をお客様に提供し続けたいと考えています。

ちなみに反射や汚れ・曇りを防ぐコーティング技術、キズつきにくいレンズ、OA化時代に対応したパソコン画面と手元の異なる2距離を兼用できるレンズ、シニアレンズのフルラインナップ製品、両面非球面レンズ加工技術なども市場に送り出してきました。ありがたいことに、業界では高い評価をいただいています。

 

「世界一の商品」は凄いですね。「ベルーナZX-AS」の他にも貴社にはさまざまな商品ラインナップがありますが、その中でも人気商品は何でしょうか?

 

倉地:最近は、眼の健康・予防の観点から眼鏡レンズを構成する素材・設計・二次加工の観点から開発した「アイケアデザイン」シリーズが人気ですね。現代は環境がめまぐるしく進化し、スマートフォンやウェアラブル端末などの出現でライフスタイルも大きく変化しています。このように、時代は「見る」から、意志を持った「視る」に変わり始めています。今後は眼に対する負担がより大きくなり、多くの方が目の健康を強く意識されているので、その視点も大事にして商品開発をしています。

「アイケアデザイン」

杉本:「アイケアデザイン」シリーズの中でも人気商品として、紫外線などにより欠損すると眼疾患を引き起こすと言われる目の中の色素「ルテイン」を保護する眼鏡レンズ「LUTINA(ルティーナ)」があります。ルティーナを開発する際に、部門横断的にブランディングチームが組まれ、私もそのメンバーに加わりました。

ルテインは体内で産生できません。そのため私たちは「眼の健康・予防」の観点から、ルテインの損傷を抑制する“からだ想い”のレンズを開発しました。見た目はほぼ無色透明なレンズの為、常用が可能で室内でも自然に装用できます。これらの要素が受け入れられ、今も弊社のヒット商品になっています。

倉地:私たちはこれからも「眼の健康」や「これまでにない快適さ」を追求して、レンズの研究開発を行っていきたいと考えています。

 

突然ログインできなくなった中国側の販売システム

世界60か国で販売を展開されている東海光学さんは、2019年末に海外の受発注システムの改善でAlibaba Cloudを導入いただいています。導入のきっかけは何でしたか?

 

杉本:国内の販売システムとしては、眼鏡業界統一のBtoB眼鏡発注システム「MEGANET Pro」があります。そのため、眼鏡を販売する店舗は「MEGANET Pro」を使い、弊社を含む複数のレンズメーカーの中からメーカーを選択し、商品を決めて発注するという流れになっています。

一方、海外には業界統一のシステムがありません。そのため、メーカーがそれぞれ独自の受発注システムをつくっています。弊社でも「MEGANET Pro」の英訳版を展開していたのですが、国内と海外ではユーザーの感覚が大きく違うため、「海外専用の発注システムも必要だ」と感じていました。

倉地:そこで、「TOP(トップ)」という弊社専用の海外用発注システムを構築しました。中国に設立したグループ企業の東海上海はこのシステムを使って、日本の東海光学に発注するという流れをつくっていたんです。

それで最初はうまくいっていたのですが、2019年7月に突如として使えなくなってしまって……。ログイン画面までは到達するのですが、何をしてもログインができず、いろいろと調べましたが理由は全くわかりませんでした。中国はグレートファイアウォールがあるため、その影響かと思いますが、断定はできていません。その悩みをSBクラウドさんに相談しました。

東海光学株式会社 本社

(東海光学株式会社 本社)

なぜSBクラウドを選んで、お声がけいただけたのでしょうか?

 

杉本:実は、この話とは全く別で、SBクラウドさんから「Alibaba Cloudを使って工場生産のBIツールをつくりませんか?」と提案を受けていたのです。「中国といえばアリババ」という頭があったので、すぐに相談しました。

ただ、SBクラウドさんだけでなく、計4社に相談しました。そのうちの2社は専用線を引く以外の手はないとお手上げ状態で、もう1社は中国国内にサーバーを立てる、中国のデータセンターをゲートウェイにするなど、複数のパターンを提案いただきました。実際にその方法もテストしましたが、うまくいきませんでした。

倉地:そのため、最終的には「Alibaba Cloud以外に選択の余地はない」という状況でしたね。世界で展開している弊社よりも大きなグローバルメーカーの場合は、各国ごとにシステムをつくっていらっしゃるところもあります。他社からも「東海光学さんも現地でシステムを」という提案をいただいたのですが、コストが大幅に上がってしまいますので、候補になりませんでした。

 

「実現できるのがAlibaba Cloud一択」という状況だったのですね。SBクラウドからは、具体的にどのような提案があったのでしょうか?

 

杉本:我々の要望は「通常のネット利用はそれまで通りのシステムにして、トップというシステムを使うときだけ回線を変えたい」というものでした。2019年8月に営業の島田さんにその状況を説明したところ、「Alibaba CloudのCENを使えば解決できる」と提案を受けました。

※CEN(Cloud Enterprise Network)
Alibaba Cloudの国際専用線サービス。CENを使用することにより、VPC間またはVPCとオンプレミスデータセンター間にプライベートネットワーク通信を構築できる。ダイナミックルーティングを使用することにより、ネットワークの収束とネットワーク間通信の品質およびセキュリティが向上し、すべてのネットワークリソースの相互接続を実現する。

 

ただ、これまでのシステムも変更して使えなくなってしまうかもしれないことが懸念事項でした。そこで素直にそう伝えたところ、島田さんは「中国で事業を展開している企業からはよくあるご相談です。トップのWebブラウザを切り替えてCENで繋げば大丈夫です」と言われました。その後は、9-10月で、価格や構築後の方法、現地で実施することなどの確認をして、年末に実際に導入しました。

 

導入はスムーズに進みましたか?

 

杉本:導入直後は、最小限の通信のみをAlibaba Cloudに向けることに苦労しました。通信を絞りすぎてしまったせいか、ログイン画面まではいくけど繋がらなくて。そのときも島田さんに連絡すると、すぐにレスポンスをもらえたので、それでうまくいきました。

事前に島田さんからは、手順書をもらっていました。この手順書が現地の利用者を意識して英語のドキュメントで作成されていたので、そのまま現地で使うことができました。その点もよかったですね。

 

Alibaba Cloud導入後の変化についても教えてください。

 

倉地:導入後はスムーズに繋がり、稼働も安定しています。中国では以前からネットが繋がりづらい時間帯や遅い時間帯がありましたが、今は現地からそういう声を聞かなくなりましたね。上海の事務所からAlibaba Cloudに繋げるところまでは以前の中国の回線なので、その影響はあると思いますが、今回新たに導入したCENによる日本との通信は問題なく使えています。以前は現地から「全然使えない。発注1件するのに何分もかかる」と言われましたが、今はそういう声も聞かなくなりました。

杉本:私たちの業務にもよい影響がありました。以前は何かトラブルが起きると、こちらのパソコンから設定を確認したり、変更したりと時間をとられていました。ですがAlibaba Cloudを導入してからは、全く上海側の設定を見てません。それだけ問題なく、スムーズに使えているという証になるのではないかな、と思います。

 

ありがとうございます。最後に、今回の経験を踏まえて、他社へのSBクラウド、Alibaba Cloudのおすすめポイントがありましたら、お願いします。

 

杉本:私たちと同じ課題を抱えている場合は、私が検討した時点では「Alibaba Cloud一択」で、他の解決法は見当たりませんでした。そして、実際に導入後は課題を解決して、スムーズに稼働しています。これが何よりのアドバンスですよね。

倉地:あとはサポート面。わからないことがあって問い合わせをするとすぐにレスポンスをいただけることはもちろん、導入時の業務進行の際も細やかにフォローの連絡をいただきました。つい後回しにしてしまっていたときも「やらないと」と奮起したお陰で、完成できました。そういう点も含めて、SBクラウドさんには感謝しています。

 

<関連サービス>

https://www.sbcloud.co.jp/service/about/alibabacloud/product/cen

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