社内サーバーのクラウド化と仮想デスクトップサービス「Cloud Remote Desktop」の導入でBCP対策(株式会社HiSC)

社内サーバーのクラウド化と仮想デスクトップサービス「Cloud Remote Desktop」の導入でBCP対策(株式会社HiSC)
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1996年に1人のエンジニアが立ち上げたHiSCは、世の中に存在しなかった放送局特化の「統合型放送機材管理支援システム」や「勤務情報共有システム」を開発し、現在は多くの大手放送局を顧客に抱える企業になっている。

システム環境は同社の重要なポイントだが、2018年に北海道胆振東部地震が起きてトラブルに見舞われたことがきっかけで、根本的な見直しの検討をはじめた。その後、Alibaba Cloudによる自社環境のクラウド化、「仮想デスクトップ」の導入を実施。これらを採用した理由について、株式会社 HiSC(エイチアイエスシー)代表取締役社長の小山内 拓氏と、システム開発部長の松田 潤樹氏に聞く。

お客様プロフィール

Alibaba Cloud導入事例 小山内 拓氏

株式会社 HiSC 代表取締役社長小山内 拓氏

機材の予約・管理・メンテや文字起こしまで……放送業界専業のSI事業

最初に、御社の事業概要を教えてください。

小山内:弊社の事業はソフトウェア開発業です。企画提案から開発して、インフラ周りも含めて導入を行い、保守・サポートまで担います。社内では「一気通貫のシステムインテグレーション」と言っています。特徴は、放送業向けにほぼ特化している点ですね。取引のほとんどが放送業界のため、「放送業界専業のSI事業」と言っても過言ではありません。

創業時から放送業向けのシステム開発を行っていたのですか?

小山内:いえ、設立時は物流系のシステムをやっていました。物流倉庫の入出庫や検品システムなどを開発していたのですが、たまたまある放送局から「高額の放送機器などは確実に戻ってこないといけないから、いつ誰が持ち出して、誰が戻したかを記録・トラッキングしたい」と要望をいただいたのです。

今から20年以上前の話で、当時はそのようなシステムは世の中にありませんでした。以降は、弊社がそれまで開発してきた物流系のシステムが放送業界でも使えると、応用を求められる形で放送業界向けのシステムが増えていきました。

主力製品は何でしょうか?

小山内:「統合型放送機材管理支援システム」です。機材利用の予約申込、出入庫管理、故障・メンテナンス情報管理など、放送機材運用に係る全ての機能をパッケージングしたシステムで、これは弊社が約20年間と長年かけて構築してきた、他社にはあまりないシステムですね。

他には面白い製品では「文字起こしシステム」があります。現在はGoogleなどが文字起こしのサービスを提供していますが、弊社のシステムの特徴は、放送局の開発したエンジンを使い、過去の素材を長時間学習させているため、放送用素材等の文字起こしに威力を発揮するものです。

Alibaba Cloud導入事例
(文字起こしシステムの画面イメージ)

自社の環境をAlibaba Cloudでクラウド化。きっかけは2018年の北海道胆振東部地震

御社のシステムの動作環境は、オンプレミス、またはクラウドのどちらでしょうか?

小山内:放送業界はセキュリティの問題で、外部クラウドを利用することに対してハードルがあります。そのため、オンプレミスもしくは放送局のプライベートクラウドなど、お客様の環境で動かすことが多いですね。ただ、最近はスマートフォンでのシステム利用の機会が増加しています。スマートフォンは社内のイントラネットに入りづらいから外部クラウドを利用する、というところも増えてきています。

そのような状況の中で、仮想デスクトップサービス「Cloud Remote Desktop」(クラウド上に仮想デスクトップを用意してリモートで接続できるサービス)を導入いただいた背景を教えていただけますか?

 松田:以前は、会社にあるデスクトップのパソコンにアプリケーションや開発環境を入れてシステムの開発や動作確認などを行っていたのですが、3年前の2018年に北海道胆振東部地震があり、大停電に見舞われました。

我々の本社も停電になりまして、会社に入ることも社内のパソコンを使うこともできず、業務の遂行に問題が起こってしまいました。放送業界向けのサポートを行っている者として、「どのような状況でも業務が停止しない環境を整えなくては」という課題感がありました。そこで仮想デスクトップを導入する前に、まずは弊社のシステム環境をクラウド化する計画を立てました。

まずは自社の開発環境のクラウド化されたのですね。

 松田:そうです。以前の自社設備の場合は、弊社は社内に情報システム管理専任のエンジニアがいたわけではなかったので、どうしても管理が疎かになっていました。そのため、障害などのトラブル時に迅速な対応ができない、という問題がありました。その点、クラウドに移行すると可用性は担保できるため、リスク軽減のためにクラウド化を決めました。弊社ぐらいの規模の会社であれば、部品調達やサポートのことなども考えずに運用したいという気持ちもありました。

小山内:クラウド化はSBクラウドさんに依頼して、Alibaba Cloudを利用することになりました。大停電をきっかけにして、社内に開発のサーバーを複数台置いて、そこに仮想サーバーを立てていたのですが、強い意思決定のもとでNASも含めた物理サーバーを全廃しようと決めました。まずは開発環境をAlibaba Cloudのインスタンスに移して、デスクトップパソコンもなくしてと、2年半ぐらいかけてやってきました。

Alibaba Cloudを選んでいただいた理由は?

 松田:個人的に海外ベンダーのクラウドサービスは利用していたことがあったのですが、Alibaba Cloudは操作性が似ていて、同じようなサービスもあるため、利用するのに困ることはないなと思いました。決め手としては、SBクラウドさんの提案力とサポートがしっかりしていると感じたことが大きかったですね。

開発環境をクラウド化したことでどのようなメリットが生まれましたか?

 松田:社内SE専業のエンジニアがいないため,他の業務を抱えているエンジニアが担当することになりますが,自社のサーバーのハードディスクが壊れたときは1人が1日かけて復旧したり、調達しにいかなければならなかったりと、トラブルのたびに工数が取られていました。そういった作業がなくなったことは大きいですね。

小山内:こういったトラブル対応にかける工数はなかなか見えづらいですよね。クラウド化によって、クラウド利用料というコストは発生しますが、これまでと違ってコストが可視化されるため、会社経営面から見てもとてもありがたいです。トータルで考えると運用コストは大幅に削減できていると思います。

仮想デスクトップサービス採用の理由は、Alibaba Cloudとシームレスにつなげられること

仮想デスクトップサービス「Cloud Remote Desktop」の話に戻りますが、こちらは具体的にいつ頃から導入を検討されはじめたのでしょうか?

 松田:2020年の終わりごろですね。2020年にリモートワークの流れが活発化してきましたが、クライアントPCにデータを何でも入れて持ち歩かせてしまうと、紛失した場合のリスクが考えられました。そこでリスク軽減のための対応策として、仮想デスクトップ導入を決めたのです。

導入にあたっては、他の製品と比較検討はされましたか?

 松田:大手ベンダーのものを中心に複数検討しました。どのサービスも料金については使った分だけの従量課金でしたので、実際にいろいろなサービスを利用してみました。そこで使い勝手などを比較してみたのですが、弊社は人数の多い会社ではないですし、業務で利用する程度であれば、どのサービスもだいたい同じようなものという結論に達しました。

その頃、弊社の開発環境のWebサーバーをAlibaba Cloudのクラウド環境に移行しはじめた状況だったので、いかに開発環境とシームレスにアクセスできるか、というところは運用上のポイントだったと思います。

SBクラウドのサービスを採用いただいたのは、御社の環境がAlibaba Cloudだからシームレスに利用できるというところが大きかったのですね?

小山内:そうですね。Webサーバーの山ほどあるインスタンスに、シームレスにつなげられる可能性が一番高かったというのが、弊社としては大きなポイントでした。

 松田:あとはコスト面ですね。各社とも低価格なプランはあるのですが、インスタンスの価格だけ見れば比較的安価だと思います。また、クラウド化した際に感じたAlibaba Cloudのサービス品質と、SBクラウドさんのサポートがよかったこともあります。

ワンストップで丁寧にサポートしてくれるところがメリット

Alibaba Cloud導入事例

現在は仮想デスクトップのみを使って業務を行っている状況ですか?

 松田:厳密に言うと、クライアントPCを使わなければならない業務が現状も残っていますが、基本的にはクラウド側の仮想デスクトップ環境でやっています。端末からクラウドのVPNはAlibaba CloudのVPN「SAG(Smart Access Gateway)」を使っています。初期のセットアップもSBクラウドさんが丁寧にサポートいただいたこともあり、アカウント作成やクライアントの設定なども問題なく行うことができました。

SBクラウドのサポートはいかがでしたか?

 松田:SBクラウドさんにお願いしていなかったら、開発環境と仮想デスクトップ環境とのシームレスな接続はできなかったと思います。もし他社のクラウドを利用していたら、それぞれの接続確認などを自分たちで行う必要がありました。

SBクラウドさんは私たちが懸念していたことも先回りして調べていただくなど、かなり丁寧に対応いただけたと思っています。そのため、何のトラブルもなくスムーズに導入することができ、とても感謝しています。

導入後のサポートも丁寧ですし、問い合わせのレスポンスも早いので、何かあった時には本当に助かっています。

ありがとうございました!

関連リンク

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