サイボウズが中国向けライブ配信に「ApsaraVideo Live」を選んだ理由

日本から中国への初ライブ配信に挑んだイベント「CYBOZU DAYS CHINA」。配信基盤に「ApsaraVideo Live」を選んだ理由とは?

(イベント終了後の集合写真)

(イベント終了後の集合写真)

サイボウズは1997年の創業以来、社内情報共有のためのグループウェアやチームワークを強化するためのメソッドを開発・提供しています。国内グループウェア市場でシェアNo.1を獲得した2007年に中国へ進出し、現在は導入企業数が千社を超えるとのこと。
今回は、働き方改革の紹介やチームビルディングに関するセッションを行うイベント「CYBOZU DAYS CHINA」を初めてオンラインで開催した経緯と、配信にAlibaba Cloudのライブ配信プラットフォーム「ApsaraVideo Live」を採用した理由について、詳しく聞きました。

お客様プロフィール

 

鈴木 亜希子氏

サイボウズ株式会社
ビジネスマーケティング本部
プロモーションディレクター
鈴木 亜希子氏

増田 導彦氏

才望子信息技术(上海)有限公司
副総経理
増田 導彦氏

Eric氏

才望子信息技术(上海)有限公司
マーケティング担当
Eric氏

現地のビジネス習慣に悩まされた中国進出時の苦労

――グループウェアやチームワーク強化メソッドの開発・販売を行っている御社は、中国でも事業を展開されています。いつ頃から、どのような目的で、中国進出をされたのでしょうか?

増田 中国で事業をはじめたのは2007年です。日本で創業10年目、グループウェアの市場で1位を獲得した2007年に「海外でもグループウェアを展開しよう」と、上海にサイボウズ中国のオフィスを設立しました。

中国のビジネスモデルを日本と唯一変えた点は、日本ではパッケージを販売していましたが、中国ではSaaSでグループウェアを提供したところです。現在は日系企業を中心に約1,000社に導入いただき、安定的に課金で収益を得られる事業へと成長しています。

――当初から「日本でグループウェアのシェアNo.1を獲得したサイボウズの製品」ということで、スムーズに導入企業が増えていったのでしょうか?

増田 いえ、そんなことはありませんでした。そもそも当時は中国でグループウェアを開発・販売している企業はほぼない状態でした。大半の企業がホワイトボードに予定をマジックで書き、施設の予約は電話でする、というのが当たり前だったんです。

日系企業にしても「シェアNo.1を獲得しているサイボウズ」と知っていただいているのは日本で勤務しているシステム部門の社員であり、現地の社長などには認知度がほぼありませんでした。また、中国のローカル企業はそもそも日本とビジネス習慣が異なっており、他人とスケジュールを共有したり、情報を外部のクラウドにアップしたりすることに大きな抵抗があったので、無料で提供すると言っても「いらない」と言われる状態だったんです。

そのため、日系企業をターゲットにして、テレアポや飛び込み営業をして、少しずつ導入企業を増やしていきました。

――地道な営業活動が必要だったのですね。2020年現在は中国で導入企業が1,000社以上とのことですが、飛躍的に伸びるきっかけはありましたか?

増田 あるときにグループウェアを使いこなせるかどうかは「人次第」と気づいたんです。それからはグループウェアを販売するだけではなく、組織マネジメントやチームワーク強化メソッドの提供にも力を入れて、中国の日系企業に対して「情報共有の価値」を高めていくことが重要だと考えました。

そこから現在、弊社が日本と中国で開催しているイベント「CYBOZU DAYS」の前身となる「組織マネジメントセミナー」を2013年から行い、弊社のグループウェアを導入して現地で活躍されている企業の方に登壇いただき、活用法や事例を紹介してもらうということをはじめたんです。この活動によって中国でも弊社の知名度が上がり、導入企業数もだんだんと増えていきました。

初のオンライン配信を実施したイベント「CYBOZU DAYS CHINA」

(サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏による基調講演「モンスターへの挑戦状」)

(サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏による基調講演「モンスターへの挑戦状」)

――今、お話に出た御社のイベント「CYBOZU DAYS」についても聞かせてください。どのようなイベントなのでしょうか?

Eric まずは日本で2016年から「CYBOZU DAYS」としてスタートし、2017年から中国でも「CYBOZU DAYS CHINA」と名付けて、年に一度、開催しています。どちらも根幹は同じで、弊社が実施している働き方改革の事例紹介や、クラウドサービスを活用したチームビルディングなどに関するセッションなどを行っています。

――日本と中国の「CYBOZU DAYS」では違う点があるのでしょうか?

Eric 毎年のテーマはそれぞれ独自に考えているため、独立したイベントという位置づけです。大きな違いを挙げると2つあります。1つは、中国では日系企業が集まる機会が少ないため、このイベントを交流の場にして情報交換や最新事例を共有する場所として活用すること。もう1つは、弊社が「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念に掲げているため、社長の青野が中国に来ていただき、現地社員とイベントの準備を共に進めるなかでチームワークをさらに深めていただくことを目的にしているところです。

――今年の「CYBOZU DAYS CHINA」は8月に開催されたそうですが、中国での反響はいかがでしたか?

Eric 2017年から毎年、リアルの場のイベントとして開催してきて、400~500名の参加者にお集まりいただいていましたが今年は新型コロナウイルスの影響で初のオンライン開催となりました。そのため、例年よりも多くの方にご参加いただくことができました。

今は中国も日本と同様にグループウェアや情報共有ツールへの注目度が高まっていると実感しています。オフィスへの出勤が難しくなった2020年2月から5月まで、弊社が中国や香港エリアでグループウェアの無償提供を行ったところ、100社以上からの申し込みがあったほどです。世の中の流れもあり、クラウドサービスが不可欠になってきていると感じます。

topics.cybozu.co.jp

(サイボウズ 取締役副社長 山田理氏による「新マネジメント論」の講演)

(サイボウズ 取締役副社長 山田理氏による「新マネジメント論」の講演)

「ApsaraVideo Live」以外に選択肢はなかった

――今年初めてオンラインで開催した「CYBOZU DAYS CHINA」の実施にあたり、Alibaba Cloudのライブ動画配信プラットフォーム「ApsaraVideo Live」をご利用いただいています。導入にあたり、どのような背景があったのでしょうか?

鈴木 事前に私たち3人で「CYBOZU DAYS CHINA」の開催について話し合い、イベントに登壇予定の弊社の経営陣が中国に行くことが難しいと判断しました。そこでオンラインイベントに切り替えて、日本で講演を開催して中国にライブ配信するという計画を立てたんです。

私は3年前にも「CYBOZU DAYS CHINA」に関わっていたので、ライブ配信をするには「配信基盤が一番の難関になる」と思いました。それからすぐにネットで日本から中国にライブ配信する方法を探しはじめたんです。

――配信基盤の候補はいくつか挙げられたのでしょうか?

鈴木 コンシューマー向けにスマホでライブ映像をアップロードするだけであればいくつか方法はありそうでしたが、今回はOBS(Open Broadcast Software/ストリーミングのソフトウェア)からのライブ配信を予定していて、それを実現できる方法がほとんど見つかりませんでした。

そのときに以前にも利用したことがあるAlibaba Cloudの製品で何かないかと検索したところ、SBクラウドさんのブログで「ApsaraVideo Live」の存在を知ったんです。また、タイミングよく社内の別部門が他の案件でSBクラウドさんと関わりがあり、「ApsaraVideo Liveという配信ツールがあるらしいよ」と紹介を受けたこともあり、SBクラウドさんに相談の連絡をしました。

※ApsaraVideo Live

先進のコンテンツアクセス方式、広域分散型配信ネットワーク、および大規模分散型リアルタイムトランスコーディング技術に基づいた、ライブオーディオ/ビデオ(動画)の配信プラットフォーム。ライブビデオへのさまざまなアクセス方法を提供するため、カスタマイズして自分ならではのライブストリームメディアアーキテクチャを作成できる。

https://www.alibabacloud.com/ja/product/apsaravideo-for-live

――ApsaraVideo Live以外にも他社製品などと比較はされたのでしょうか?

鈴木 他社製品も事前候補としてあがっていたのですが、視聴者数に制限があったり、中国向けの配信に不安な点もあり、見送りました。やはり、中国向けのシステムならAlibaba Clouの方が安心感もありましたので、必然的にApsaraVideo Liveに絞られた感じですね。

(Apsara Video Live を活用した中国向けライブ配信イメージ)

(Apsara Video Live を活用した中国向けライブ配信イメージ)

――ApsaraVideo Liveの導入はスムーズに進みましたか?

鈴木 自分で調べていた段階では、ApsaraVideo LiveはYou Tubeのように配信プラットフォームが用意されているわけではなく、プレイヤーを自分たちで組む必要があることがわかっていました。ただ、自社では対応が難しかったのでSBクラウドさんに相談したところ、こちらの要望にあわせた独自のプレイヤーを開発いただきました。

また、事前に中国側で閲覧のテストをしたところ、ネットワーク環境の良くないところでは動画が見づらくなる問題も発生しました。その際にもクライアント側のネットワーク環境に応じて画質を調整するなど、細かい設定などもご支援いただきました。

本番では映像配信会社にOBSのストリームキーを渡すだけで何の問題もなくApsaraVideo Liveを利用することができました。

――実際に利用してみて、ApsaraVideo Liveのコスト面に関してはいかがでしょうか?

鈴木 単体のプロジェクトで考えるとコストオーバーかもしれませんが、今回構築した「日本から中国へのライブ配信プラットフォーム」は今後活用の機会が増えてくると思います。その枠組みをつくることができたと考えると、コストも決して高くはありませんね。

――御社と同様に日本から中国へのライブ配信を検討している企業があるとして、何かアドバイスがありましたらお願いします。

鈴木 私の中では日本から中国にライブ配信するのであれば「ApsaraVideo Liveの一択」ですね。ライブ配信に関わった私たちは3人ともシステム部門の人間ではなくマーケティング部門だったので配信に不安もありました。SBクラウドさんとのコミュニケーションは「DingTalk」を使っていたのですが、私たちの疑問に対してもスピーディで真摯な回答をしていただきました。

配信システムの要件定義も明確で、スケジュール通りでした。プロジェクトマネジメント力が非常に高く、私の期待以上に応えてくださって、総合力の高いご支援だったなと思います。

――ありがとうございます。最後に、今後行われる日本のイベント「CYBOZU DAYS」や、御社の今後のビジョンなどを教えてください。

鈴木 日本で行う「CYBOZU DAYS」は今のところ例年同様にオフラインのリアルのイベントとして、「エゴ&ピース」をテーマに、11月に東京、12月に大阪で開催する予定です。今年実現できるかは未定ですが、今回構築した枠組みを使って、継続的に日本から中国にライブ配信もできればいいなと考えています。

(CYBOZU DAYS2020トップページ)

(CYBOZU DAYS2020トップページ)

弊社の事業の今後でいうと、中国以外にも海外展開している中でサイボウズ中国が最も現地に根付き、安定して収益を上げている成功モデルになっているので、この成功例をもとに、さらに海外展開にも力を入れていきたいと思っています。

増田 サイボウズ中国もまだまだ伸びしろがあると思っています。中国は日本と同じように働き方への注目度が高まっています。現地の若者は朝9時から夜9時まで働く生活を週6日続ける「996勤務」という働き方が話題になったこともあるのですが、こういう働き方が指示される一方で、日本と同じように長時間勤務が社会問題になりつつあります。私はテクノロジーの力で働き方を良い方向に変えることができると思っているので、弊社の製品の認知度と導入企業数をさらに増やしていきたいですね。

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