
千代田化工建設株式会社
https://www.chiyodacorp.com/課題
千代田化工建設では、中国にあるモジュール建造(注1)拠点のネットワーク環境について課題を抱えていました。
「設計図書などモジュール建造に必要なデータの共有をインターネット経由で行うことを計画していたのですが、中国から日本へのインターネット通信が不安定なため、アップロードやダウンロードに時間が掛かり問題となっていました。また、日本で利用していた業務アプリケーションなどが現地で正常に動作しない事象も発生し、現地スタッフの業務に大きな影響が出ることが予想されました。現地での通信確認の結果、中国から日本までの通信に15-20%のパケットロスが発生していることがわかりました。
当初、千代田化工建設では現地に独自サーバーを構築する対策なども検討しました。しかし、現地ではシステム担当者のリソースも限られていたため、ネットワーク側で解決することを決定しました。」(千代田化工建設株式会社 ITマネジメント部 鈴木 剛 氏)
(注1:モジュール建造:プラント設備をブロックに分けて設計し、各ブロックを中国、東南アジアなどで建造した上で輸送し、最終建設場所で組立てる建設手法。最終建設現場の作業量低減を目的に行われることが多い。)
選定理由
まず、SBクラウドは千代田化工建設へAlibaba Cloudの「Express Connect」を活用した日本-中国間のプライベートネットワーク構成を提案しました。
「当初はExpress Connectを日本-中国間の拠点間通信として利用する構成をご提案いただきました。しかし、現地からは千代田が管理する業務アプリケーションだけでなく、ジョイントベンチャーパートナーが管理するシステムやクラウドサービスへも接続するケースもあるため、千代田が管理する業務アプリケーションも含めてインターネット経由で接続する構成が望ましいとお伝えしました。」(鈴木氏)
千代田化工建設の要望を受け、SBクラウドはAlibaba Cloud東京リージョン内にプロキシサーバーを構築し、中国事業所から日本へのインターネット通信をプロキシサーバー経由でアクセスする方式へ構成を変更しました。
「中国内では、弊社オフィスとAlibaba CloudデータセンターをInternet VPNで接続する構成になりますが、弊社オフィスで使用しているネットワーク機器とAlibaba Cloudデータセンター側で使用している機器のベンダーが異なり、VPN設定に不安がありました。しかし、SBクラウドが現地でのVPN構築も含めてサポートいただける事になりました。Express Connectの費用ならびにこの現地でのVPN構築サポートと専用線を利用する場合の費用を比較して、低コストであることも評価しSBクラウドからExpress Connectを導入する決定をしました。」(鈴木氏)

導入効果
「通常のインターネット通信では日本までのパケットロスが場合によっては15~20%発生しており、業務アプリケーションも使えない場合がありました。Alibaba Cloudの導入により、日本までのパケットロスがほとんど発生せずに安定した通信が可能になりました。通信が安定したことにより、数時間かかっていたデータのダウンロードも数倍速くなり、業務効率を大幅に向上させることができました」(鈴木氏)
千代田化工建設はAlibaba Cloudのプロダクトだけでなく、ソフトバンク・SBクラウドによる運用のサポートにも大きな期待を寄せています。 「Alibaba Cloudの運用などは当社の要員で対応するのが難しい場合があるので、柔軟にサービスして頂けるような運用支援サービスなど、サポートサービスの拡張を期待しております」(鈴木氏)