ヤプリ共催:OMO最新テクノロジーセミナー「中国小売とモバイルマーケティング最前線」レポート

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SBクラウドは10月18日に株式会社ヤプリと共同で「OMO最新テクノロジーセミナー~中国小売とモバイルマーケティング最前線~」を開催。中国のテクノロジー業界に詳しいGloTech Trends編集長の菊谷氏を講師に招き、急速に成長を続ける中国の小売業界やアリババグループが推進する「ニューリテール戦略」について解説しました。

また、ヤプリとSBクラウドからは、最新テクノロジーを駆使した日本企業向けソリューションや自社アプリの活用方法などについて、事例を踏まえながら紹介しました。

 

GloTech Trends編集長が語る「アリババ ニューリテール戦略の全貌 」

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(GloTech Trends 編集長/Nobby Ocean Consulting Pte. Ltd 代表取締役 菊谷信宏 氏)


最初に登壇したのは、2012年からアリババ本社近郊に営業拠点を構えて中国富裕層向けビジネスをスタートし、現在はアリババのビジネスモデルを中心に中国テクノロジーの進化を日本に伝える情報サイト「GloTech Trends」を運営している菊谷氏。
 

「今日は中国ニューリテールの4つの最新事例、銀泰百貨店、リーニン、タオパオセレクト、リンショウトンを紹介し、最後に僕なりのニューリテールの定義をお伝えしたいと思います。2016年にジャック・マーが“オンラインとオフラインを融合したニューリテールなる新しいコンセプトが誕生する”と発言してから3年が経過し、現在は“ニューリテール2.0”にアップデートされている状況があります」

 

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1つ目の事例は、2017年にアリババが筆頭株主になり経営に関与している銀泰百貨店。

「2018年に調査が行われた中国の百貨店90社のうち42%は減収でしたが、その中で銀泰百貨店は37%の増収を実現したことで注目を集めています。アプリで注文できるミャオジェーアプリの導入によりOMO戦略を推進し、アプリからの注文が集中するのはリアル店舗閉店後の22時以降のため、“世界初の眠らない百貨店”と言われています。

百貨店のバックヤードではピッキングロボットによる自動集荷プロセスを実現し、注文から配達完了まで1時間を目指しているそうです」。

 

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2つ目の事例は、2015年からアリババクラウドと共同でデジタル化を推進し、16年末からニューリテール戦略を導入したスポーツ用品メーカーのリーニン。

「リーニンはマッピング、データ解析を導入しています。店内の人の流れを把握して、ホットスポットをビジュアル的に表示することで人気商品がすぐにわかります。

また、商品を取り上げた人数や回数が時間帯ごとに解析することで、お店のレイアウトを変更するなども行っています。さらに、これらのデータを製造工程にも反映していて、30年の社歴の中で2019年からは初の自社工場を稼働しています」。
 

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3つ目の事例は、タオバオセレクト。「アリババクラウドの画像認証“ImageSearch”を活用した施策で、アリババ直営モールのチンチェンリーで商品画像を撮影すると、該当商品のオンラインサイトに移行したり、類似商品の検索にも活用することができます」。

 

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4つ目の事例は、BtoBプラットフォームのリンショウトン。「中国国内にある零細小売店舗、いわゆる“パパママストア”と呼ばれる店舗が600万店舗ありますが、アリババはそこを対象に“天猫小店(Tmallスマートコンビニ)”としてブランド化していて、その数は既に150万店舗。具体的な施策はリノベーションを行った後、店舗近隣の顧客層をデータ解析し、管理ツールを通して店主に仕入れのオススメ商品を提示します。実際に私があるパパママストアの店主に聞いたところ、オススメ商品は本当に売れると言ってました。リンショウトンは中国ビジネスを展開する日本企業からも注目されていて、UHA味覚糖は2019年4月からリンショウトンプラットフォーム上に旗艦店をオープンし、出店から僅か3か月間で売上前年比5倍以上を達成したそうです」。

 

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最後に、菊谷氏はニューリテール戦略について次のようにまとました。

「以前の小売業は“プロダクトありき”で、製造したプロダクトをオンライン/オフラインのどちらで売るかを考えていました。しかし、これからは“消費者ありき”で、消費者の動向や需要をデータ解析して新需要(新消費)を導き出し、そこからプロダクトを生産する時代になり、売る場所はオンラインでもオフラインでもどちらでもよくなります。

それに伴い、以前のニューリテール1.0は、OMO、ユーザー視点の多面化、ビッグデータ解析などがポイントになっていましたが、ニューリテール2.0では、商売を始めるときの11個のプロセスである、ブランド、商品、製造、チャネル、マーケティング、店舗、サービス、物流、ファイナンス、組織運営、技術、これら全てがエンパワーされています。実際にアリババグループはこの全ての領域でニューリテールファミリーを実現しています。

つまり、ニューリテールはリテール=小売業界だけでなく、ホテルや旅行業など、全ての産業に応用可能な巨大コンセプトなのです。現時点のニューリテールのトレンドはまだまだ序章に過ぎないと言ってよいでしょう」。 

glotechtrends.com

「ニューリテール戦略を推進するAlibaba Cloud」

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(SBクラウド株式会社 パートナー推進室 三苫周平)


続いて登壇したSBクラウドの三苫は、「オンラインビジネスの限界、テクノロジーの急速な進歩、コンシューマー嗜好の変化」の3つをポイントに挙げ、中国での小売り事情について解説しました。
 

出店数の増加率の鈍化や店舗ごと売上が徐々に頭打ちになるなど、オンラインビジネスの限界が出てきているとしたうえで、「新たなる顧客体験をつくりだした事例として、アリババの直営モール“亲橙里(チンチェンリー)”やアリババ運営のスーパー“盒馬鮮生(Hema)”があります。

亲橙里は、顔認証・モバイル決済に対応したセルフレジ、AIを活用したバーチャル試着、モバイル連携によるエンターテインメント性のあるクーポン配信などを行っています。

盒馬鮮生は、以前は店舗での購入の割合のほうが多かったのですが、アプリで購入したものが店舗から30分以内に配送される仕組みを導入したことで現在はオンラインの売上が7割を超える店舗が増えています」。

 

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続いて、中国の小売業の現場では既に実装されている画像検索や顔認証、VR/ARなどのテクノロジーを紹介しました。

「中国のテクノロジーを日本へ、ということで、弊社から日本の企業様に“まずはここからはじめませんか?”と案内しているものがあります。たとえば、位置案内デジタルサイネージは示されているQRコードをスマホで読み取るとキャラクターが出てきて、スマホ上で道案内をしてくれます。この施策は有名IPを多数もっているという日本の強みを活かせるテクノロジーだと思います」。

 

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また、画像認証システム「ImageSearch」は既にニトリがアプリに導入していることを説明し、「ImageSearchはアリババが2014年からスタートし、年月をかけて精度を上げてきました。そのため、アプリに導入することで、写真や画像をデータベース内画像とマッチングして、スピーディーな商品検索を実現します。幅広い商品を取り揃えるニトリさんがImageSearchを導入することで、言葉で表現しづらい商品もすぐに検索することができます。導入後はコンバージョンが15%アップしたと聞きました。また、ユーザー用のアプリだけでなく従業員端末にも導入していて、店舗内在庫の確認、さらにどの場所にあるかも表示されるようになっています」。

www.sbcloud.co.jp

「ImageSearch」を推奨する理由として、検索の精度のほか、コストと簡単構築を挙げました。「弊社のImageSearchはSKUが増えても固定費が上がらないようになっています。データベース内の画像の数などによってコストがほぼ決まるため、ベンダーからの解放にも繋がります。また、AWSやオンプレを使っていてもアドオンで簡単に構築開発が可能です」。

 

「OMO時代におけるモバイルテクノロジー活用〜企業と顧客をつなぐ自社アプリの効果とは〜」

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(株式会社ヤプリ 執行役員 CCO / エバンジェリスト 金子洋平 氏)


最後に登壇したのは、クラウド型アプリ開発プラットフォーム「Yappli」を提供しているヤプリ CCO/エバンジェリストの金子氏。同社のプラットフォームを利用して、さまざまな業界の企業がアプリを提供しており、現在その数は300社以上、アプリは400個以上になっているようです。

金子氏は自社アプリ展開のメリットとしてファン向けのチャネルとして適していると説明。「2割の顧客が売上の8割をつくっているとする“パレートの法則”があります。潜在顧客はネット検索、見込顧客や新規顧客はSNS、リピーターはアマゾンやメルマガ、そして2割のファンは自社アプリや自社ECサイトを使う傾向があります」。

その後は、実際にYappliを利用して構築されたアプリの事例を紹介しました。あるスポーツメーカーでは導入後に会員数2.1倍、売上3.2倍にアップし、アプリ経由で新規会員登録するユーザーが全体の半数を超えるまでに成長したようです。

最後に、金子氏はYappliの特長について「今までのアプリ開発はコストの問題や、高度なプログラミング技術が必要だったりと開発には高いハードルがありました。でも、Yappliは初期費用+月額費用のサブスクリプション型のアプリ開発方法を導入していて、さらにプログラミングの知識が不要でブログのような管理画面で直観的に制作・管理することができます。弊社には400以上のアプリ実績に基づくノウハウがあり、リリース後はカスタマーサクセス部がフォローします。アプリ開発はヤプリにお任せください」とまとめました。

 

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