ニトリがAlibaba Cloudの「Image Search」を導入した理由(SoftBank World 2019講演レポート)

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ニトリはAlibaba CloudのImage Searchをスマホアプリに導入することを発表

7月19日「SoftBankWorld 2019」が都内で開催されました。SBクラウドは同イベント内の講演で、ニトリホールディングスのO2O推進室室長 宮入功明氏をゲストに迎え、「Alibaba Cloud活用事例 ~ニトリに学ぶ攻めのIT活用によるビジネス発展~」というタイトルの講演を行いました。

ニトリのO2O戦略や今秋にリリースする予定のAlibaba Cloudの画像検索エンジン「Image Search」の導入事例など、講演にて発表された内容をご紹介します。

 

最新テクノロジーによるプロダクトをパブリック展開するAlibaba Cloud

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SBクラウド株式会社 CTO CHEN Chen

最初にSBクラウド CTOのCHEN Chen からAlibaba Cloudのテクノロジーについて説明がありました。

「Alibaba Cloudはアリババが提供する、EC、メディアエンターテインメント、物流など、さまざまなサービスにおける社内システムの基盤として利用されています。さらにAlibaba Cloudは社外に対してもインフラ基盤はもちろんのこと、最新テクノロジーを利用したプロダクトも提供しています」(CHEN)

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Alibaba Cloudの主要プロダクト一覧

そのうえで「今回は、そのプロダクトの1つである画像検索エンジン“Image Search”がニトリホールディングス様にどのように活用されているのかを、O2O推進室室長の宮入氏にご紹介いただきます」と話し、宮入氏を壇上に招きました。

 

ニトリのロマンとビジョン

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ニトリホールディングス株式会社 O2O推進室 室長 宮入 功明 氏

「弊社のロマンは“住まいの豊かさを世界の人々に提供する”ことです。ビジョンは既に達成した2017年に店舗数500店/売上高5,500億円、将来的には2022年に1,000店/1兆円、2032年に3,000店/3兆円を目指しています。弊社のビジネスモデルは製造物流小売業であり、商品企画から製造・物流・販売までを一貫して自社で実行しています」(宮入氏)。

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ニトリのロマンとビジョン

このように語る宮入氏はさらに「製造物流小売業ならではの強みが3つある」とし、①顧客接点、②商品の強み、③商品の届け方の3点を挙げました。

顧客接点に関しては、「弊社は2004年にEC事業を開始してますが、ECの2019年2月期の売上高は389億円とECの売上が高まっています。ECで注文するお客様は店舗で商品を受け取る方も多く、ニトリは店舗数576店と全国をカバーしているため、お客様は近くに店があることで安心してECで購入することができると考えています」と全国の店舗がEC事業の発展にも寄与していると説明しました。

さらに、商品の強みと、商店の届け方については「ニトリは店舗で約1万4千点の商品を取り扱っていて、プライベートブランド率は約90%です。幅広い商品を取り扱っているため、単品の販売だけでなく、生活のトータルコーディネートを推進することができる強みがあります。また、弊社新物流システムを駆使して効率的かつ低コストの商品配送を実現しています。2019年2月期累計数値では、配送エリア国内人口カバー率98%、ネット注文・店舗受取約16万件となっています」と語りました。

 

ニトリはなぜ画像検索を導入するのか?

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画像検索導入によるメリット

続けて宮入氏は画像検索の導入した理由について語りました。

「ニトリのテクノロジー戦略は、“住まいの豊かさを世界の人々に提供するため、先進的なテクノロジーを事業に取り入れる”ことで、“攻めのIT活用”を進めています。では、その中でもなぜ今、画像検索が必要なのか?ニトリの店舗の価値は“お客様に見やすくわかりやすい商品検索”であり、多くのお客様が来店する前にECをチェックするというデータもあることから場所を限定せず、ニトリの価値を提供したいと考えたからです」(宮入氏)。

今までのネットで商品を探す際は、欲しい商品を言語化して検索し、欲しいものが見つかるまで繰り返し検索する必要がありました。しかし、その方法では直観的に探すことができない煩わしさが伴います。画像検索を導入することで、家、街中、店舗など、どこでも写真を撮るだけで、直観的に欲しい商品にたどり着くことができます。

インテリア製品では変わった脚の形の椅子やカーテンの独特の柄など、言語化が難しい商品が多数存在します。しかし、写真撮影をして類似商品が出るようになれば、言語化する必要がなくなるメリットがでてきます。

「小型店舗では全商品を扱えないこともあり、ニトリの他の商品や雰囲気が同じような商品が見たいという方に使っていただくシーンも想定しています。店舗に限らず、雑誌、EC、SNS、さらに街中など、気になる商品を見つけたときに画像検索を掛ければいいのです」(宮入氏)。

 また、多種多様の商品を取り揃えるニトリだからこそ画像検索を導入するメリットも提示します。「新たな検索では1枚の写真からカーテン、クッション、テーブル、ランチョンマット、お皿と、複数の商品を検索することが可能になります。多くの商品を扱うニトリに適した検索であり、これによりトータルコーディネートを推し進めることができるようになります」(宮入氏)。

 

なぜAlibaba Cloudの「Image Search」を採用したのか?

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Alibaba CloudのImage Searchを採用した理由

現在、画像検索エンジンは多くの企業が提供している。その中でもニトリはなぜAlibaba Cloudの「Image Search」を導入することに決めたのでしょうか?

「重視したポイントは3つです。簡単導入、高精度・早いレスポンス、高い拡張性。中でも重視したのは高精度であり、検索スピードが早いことでした。精度に関しては、画像検索エンジンはいかに多くの教師データを用意して学習させるかがポイントになりますが、その点、Image Searchはアリババの世界最大のECで使われていて、日々大量の学習を行っているため非常に精度が高いことがわかりました。実際に他社の画像検索エンジンも含めて事前にテストしましたが、これらのポイントでImage Searchが一番でした」(宮入氏)。

最後に、宮入氏はニトリの今後の展望に触れ、「Image Searchの導入は弊社のロマンである“住まいの豊かさを世界の人々に提供する”を実現する1つのステップにすぎません。今後はさらにオンラインとオフラインを融合し、お客様に新たな価値を提供していきます。今秋リリース予定のスマホアプリにぜひご期待ください」とまとめました。

 

「Image Search」が高精度である理由

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Alibaba CloudのImage Searchが高精度である理由

その後、SBクラウドCHEN ChenがImage Searchが高精度である理由を解説しました。

「ご紹介いただいたようにImage Searchは高精度の検索を実行します。高精度を実現できる理由は、5億4千万人のアクティブユーザーから日々フィードバックが届くようになっていて、その結果をもとに学習済みモデルを常に改善、調整し、アップデートを繰り返しているからです。Image Searchの得意領域は、家具、家電、アパレル、おもちゃ、化粧品、食品・ドリンクなどで、多数の商品や説明しづらい商品を取り扱っている企業におすすめのプロダクトです。興味がある企業の方はいつでもお声がけください」。

 

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