皆さん、初めまして、ソリューションアーキテクトMiyaと申します。
ここ数年、アーカイブデータは様々な業種で活用されています。アーカイブデータを低コストで長期間保管するために、2017年12月に新しいストレージクラスが追加になりました。これはアーカイブストレージ(OAS)です。
本記事では、アーカイブストレージの特徴と使い方についてまとめます。
OASを紹介する前に、Object Storage Service(OSS)について少し説明いたします。
OSSとは
OSSは、Alibaba Cloudによって提供される大規模で安全性が高く、効率が高く、信頼性の高いクラウドストレージプロダクトです。
OSS には、標準、低頻度アクセス(IA)、およびアーカイブという 3 つのストレージクラスがあります。
OASとは
OASは、5GB以上のストレージ料金で比べると、3 つのストレージクラスの中で最も安価です。アクセスすることがほとんどないデータを保存するのに向いています。膨大なデータ(アーカイブデータ、医用画像、科学データ、ビデオ素材など)をコストを抑えて長期間保管するのに適しています。
複数のデータファイルを圧縮して、アップロードすることをお勧めします。映画、音楽、文書など各種データタイプをサポートできるとともに、いつでもどこでも無制限のスケーラブルなストレージを提供します。また、完全なAPIを提供し、すべての機能をAPIで実行することができます。
金額について
OASの課金には通常のOSSと違う部分があります。ストレージ、APIリクエストだけではなく、「データ復元」、「データ削除」によって課金されます。また、無料容量はありません。
最も大きな違いは、ストレージの料金です。実際に試算してみました。100GBのデータ量を一か月で使う場合は、OSSは228.95円で、OASは52円です。
詳細は、「ストレージクラスの料金」のリンクを参照してください。
性能について
OASで最も特徴的な性能は、データを読み取る前にリストアが1分ほどがかかることです。容量によってかかる時間に変化がないか、実際に操作して確認しました。以降の基本操作では、100GBのデータをリストアした場合の手順をご紹介します。(他にも特徴はいくつかありますが、詳しくは、「ストレージクラスの機能比較」のリンクを参照してください。)
基本操作
アーカイブバケットは、コンソール、API/SDK、コマンドラインツールから操作できます。(詳しくは『アーカイブバケットの作成と使用』のリンクを参照してください。)
1.バケットの作成:
OSSコンソール画面より、「バケット作成」ボタンをクリックします。
そして、ストレージクラス として 「アーカイブストレージ」を選択します。
2.ファイルのアップロード:
アーカイブストレージは、5GB以上のファイル保存を推奨していますが、Alibaba cloud管理コンソールからでは、5GB以下のファイルしかアップロードできません。それ以上のファイルは、ossutilやSDKを使う必要があります。
以下はossutilでのアップロードコマンドです。
まず、100GBのダミーファイルを作成します。
# fallocate -l 100GB dummy.dat # ls -l -rw-r--r-- 1 root root 100000000000 Jan 24 12:01 dummy.dat
そして、ossutilでダミーファイルをアップロードします。
# ossutil cp dummy.dat oss://[bucket name] Total num: 1, size: 100,000,000,000. Dealed num: 0, OK size: 42,250,000,000, Progress: 42%
アップロードが完了しました。
# ossutil cp dummy.dat oss://[bucket name] Succeed: Total num: 1, size: 100,000,000,000. OK num: 1(upload 1 files). 1519.480613(s) elapsed
コンソールより確認します。3.データ復元:
次の図のように、ファイルはフリーズ状態で、読み取る前に、リストアをする必要があります。
「リストア」ボタンをクリックして、データを復元します。
※どんな容量でも「1分ほど」なのか確認するため、100GBのデータと3.6KBのデータをリストアしてみました。どちらも1分ほどでリストアが完了しました。
「解凍すみ」の状態になると、ファイルのURLをコピーして、アドレスバーに入力して、ファイルをダウンロードできます。復元された状態はデフォルトで 1 日続きますが、延期することもできます。
延期の方法:
リストアが完了した後、restoreコマンドが再度呼び出されると、ダウンロード可能時間は1日(最大7日)延長されます。statコマンドを使って、リストアの状態が調べられます。結果は以下の通りです。
※以下は2018/02/05に一回「restore」(解凍すみ)にした状態です。(解凍の有効期限は2018/02/06です。)
# ./ossutil restore oss://[bucket name]/[object name] # ./ossutil stat oss://[bucket name]/[object name] ACL : default Accept-Ranges : bytes Content-Length : 100000000000 Content-Type : application/octet-stream Etag : 35DEDECEE3213493C4F198DEB03CCC10-400 Last-Modified : 2018-01-24 12:27:56 +0800 CST Owner : 5450581093456520 X-Oss-Hash-Crc64ecma : 4869441944353723449 X-Oss-Object-Type : Multipart X-Oss-Restore : ongoing-request="false", expiry-date="Tue, 06 Feb 2018 02:56:52 GMT" X-Oss-Storage-Class : Archive
再度、「restore」(解凍すみ)にします。
# ./ossutil restore oss://[bucket name]/[object name] # ./ossutil stat oss://[bucket name]/[object name] ACL : default Accept-Ranges : bytes Content-Length : 100000000000 Content-Type : application/octet-stream Etag : 35DEDECEE3213493C4F198DEB03CCC10-400 Last-Modified : 2018-01-24 12:27:56 +0800 CST Owner : 5450581093456520 X-Oss-Hash-Crc64ecma : 4869441944353723449 X-Oss-Object-Type : Multipart X-Oss-Restore : ongoing-request="false", expiry-date="Wed, 07 Feb 2018 02:56:52 GMT" X-Oss-Storage-Class : Archive
restoreコマンドが呼び出されると、リストアが一日延期(2018/02/07)になりました。この期間が終了すると、オブジェクトはフリーズ状態に戻ります。
まとめ
AlibabaCloudアーカイブストレージは、優秀な性能により、信頼性が高く、可用性が良いサービスを提供します。今はビッグデータの時代で、OASが多くのシーンで使えます。例えば、低コストのバックアップ、金融、医療業界などのデータアーカイブです。金額でも、安全でも、管理でも優秀と考えると、テープバックアップに代わってOASをおすすめします。しかし、OASには、最小保存領域(128KB)、最小保存期間(60日)の制限があり、画面処理もサーポートされていないので、ご注意ください。